「Love」と「Peace 」と 愛し合ってるかい?




拝啓 Michael Jackson さま



私の誕生日にお亡くなりになって、
はや、半年。


思い起こせば、あなたを知ったのは、
小学生の時でした。


恥ずかしながら、私が、生まれてはじめて行ったコンサートは、
当時、「和製・ジャクソン5」と呼ばれていた、
「フィンガー5」です。


アキラくん風の、おもちゃのサングラスを買ってもらって
ごきげんな私に、
まわりの、いじわるな大人たちは、


「フィンガー5は、Jackson5の、マネなんだよ」
と、鼻で笑っていました。


Jackson5のレコードジャケットを見せてもらい、
「こんな小さいコが歌っているの?!」と
小学生ながら、感心し、なんだか反省しました。


あなたさまが、お亡くなりになってから、
ずーーーーーーっと探していた映像を
ようやく最近見つけ、思わず、
This is it!!! と叫んでしまうところでした。


それは、 「スズキ・Love」 という、スクーターのCMです。
(ホンダと思い込んでいたため、見つけ損ねておりました)

http://www.youtube.com/watch?v=4Zo4kW9bjTU&NR=1




MTVが創設され、ビリー・ジーンが、連発で流れていたのは、このあとです。


中学生で、Rockに突入し、ナマイキ絶頂の私は、
このCMを見て、
「あらまあ、Michael Jackson、大きくなっちゃって、
日本のコマーシャルなんか出ちゃって、照れてやんの」


などと、King of Popsにむかって、無礼千万な発言をしていました。



今思えば、
「映像」で、あなたさまを最初に見たのは、
「Love」のCMだったのです。


LoveとPeaceに、生涯をささげ、世界平和を訴えつづけてきた、
あなたさまのご意思は、
数多くのミュージシャンが、受け継いでいます。


U2のボノさまなどは、
「すくってないのは、金魚だけ」といわれるほど、
「アフリカ」も、「マラリア」も、「エイズ」も、「貧困」も、なにもかも、
救いつづけています。
Rock界から、ノーベル平和賞受賞者が出るのも、間近です。
年末、年始、
天国でもRockフェスが、行われていることでしょう。

マイケル・ジャクソン、
レス・ポール、
DJ am、
樋口宗孝、

ジャンルを超えての、すごい顔ぶれ。



オープニングには、
「天国は無い。ただ空があるだけ。
国境もない。ただ地球があるだけ」

と歌っていた、日本が誇るあの方の、

「愛し合ってるか~~~い?!」
で、始まることを、下界で、祈っています。




「ミテルだけ」 と OKGO


「ミテルだけ」DVD               「OKGO」


異業種の経営者である知人から、

「この前、ある社員教育用のビデオを、見せてもらったんだけど、
ウチの若い子たち、それを見て、そうとう感動してたよ。
明日から、心を入れ替えて仕事する、とまで言ってた。
しかもそのビデオ、全然、制作費かかってないってカンジだった。
あーゆーの作れば売れるんじゃないの?」

と、言われました。

「心を入れ替える」ほどのビデオとは、どーゆーものかと、
ネホリハホリ聞いたところ、

○撮影なし
○イメージ写真にスーパーだけ
○ナレーションなし、BGMのみ
○ええ話系・泣かせるストーリー

だったそうなのです。

当然、着目すべきは、「ええ話系・泣かせるストーリー」で、
その内容を聞いてみたところ、

「は?!そんだけ?…どこで泣けばいいの???」

という内容でした。

起承転結は、あったものの、その話のなにが、
若者の琴線にふれたのか、さっぱりわかりませんでした。

すると、知人は、すかさず、
「プロは、ややこしく考えすぎるが、素人が求めているものは、
ちょっとしたコトなんじゃないの?
映像のクオリティーとか、制作費の高い安いは、関係ないかもよ」
と、言うのです。
(ましてや、「おばさんになると、ピュアな心が失われ、泣けるツボが違うというのも、
問題だ」と言われた。)

この不景気のご時勢、
「いい話で泣きたい」「癒されたい」というヒトたちが、
多く、そうした時代のツボに、ぴたっとはまったのではないかとも
言ってました。

そんじゃ、これもそうなのかしら????

昨年「ミテルだけ」という、DVDが販売され、
国内、海外でも、
ちょびっと、話題になっていました。

内容は、その名の通り、
「女性が、こっちをじーっと見てるだけ」の映像です。

白ホリバック、バストショットの女性を、1カット長まわし。
(私は、てっきり「Japaneseホラー系」のショートムービーかと思いました。ごめんなさい。)

出演者は、アイドルや有名タレントさんではなく、一般人に近い方たち。
50人ぐらいバリエーションがあるとはいえ、
制作費は、想像つきます。
DVDのお値段は、3000円弱。

そして、11月末、
「ミテルだけ for Ladys」が、発売されました。

説明するまでもありませんが、
「男性が、こちらをじーっと見てるだけ」の映像です。


ええ、ええ、
おばさんになると、ピュアな心が失われ、
制作費と、売り上げ額だけが気になり、
癒されるツボがわからず、逆に、メンチきっちゃいそうだわよ。


さて、「低予算」ビデオの「大爆笑傑作」といえば、
今だ、これを超えるものは、見つかりません。
OKGOの"A Million Ways"のミュージックビデオです。

 http://www.youtube.com/watch?v=bav63MWNUKg&feature=fvw


制作費は、テープ代の、たった5$。500円弱!
外ロケ、ロング、1カットの長回し。低予算の王道です。

3年ほど前、たまたまデモ用に作ったものが、手違いで、
インターネットで流れちゃって、
サイトがパンクするほど、ダウンロードされたのを、
ご存知の方も多いはず。
もちろん、マイナーバンドだったOKGOは、
一夜にして、ブレイクしました。


このボーカルの容姿に、そっっっっくりなおじさんが、
我が家にひとりいますが、
「笑い」のツボには、はまったようで、
「ミテルだけ」にとどまらず、
いっしょに踊っていました。

アイデア勝負の「低予算」なら、私は、こっちの路線で作りたいです。

「最もセクシーな男性」と円高







12月に里帰りする、マレーシアの友人から、


「今年のクリスマスプレゼントは、アダム・ランバートのCDにするね」と


メールがきました。





日本では、まだ売っていない輸入版CDを、


まめに買ってきてくれるので、とてもありがたい。







アダム・ランバートくんは、昨年の「アメリカン・アイドル シーズン8」の


準優勝者です。




「ボクは、ゲイです。」


と、カミングアウトする前から、


なにかと、ゴシップネタにされてますが、


「歌がうまい」というのが、日本のアイドルとは、大きな違いです。

「高く評価」されたのは、歌唱力です。





準優勝が決まったあと、あの、"クイーン"に、


「うちのボーカルにならない?」と


スカウトされたぐらいです。しかも、断った。


(我が家では、あの高い叫び声は、アクセル・ローズにそっくりだから、スラッシュがスカウトして、新生ガンズ&ローゼスにしたらいいのに~と、願っていました)


先日、米誌Peopleで、毎年恒例の


「世界で最もセクシーな男性」が発表されました。





1位は、ジョニー・デップでしたが、


なんと、アダムくんは、10位にランクイン。





ここで、上位のランキングを紹介しますと、





1位 ジョニー・デップ (説明不要)


2位 ライアン・レイノルズ (カナダ人、スカーレット・ヨハンソンのだんな)


3位 ジェイク・ギレンホール (息子にしたい)


4位 ブラッドリー・クーパー (日本ではイマイチ知名度が…)


5位 ロバート・ダウニー・Jr  (わっはっはっはっは。なんで?)


6位 デヴィット・ベッカム (私の「最もタイプじゃない男性」)


7位 ジル・マリーニ (フランス人、「Sex and City」で、そーゆー役柄だったから)


8位 The Glee Guys  (FOXのドラマ「Glee」の男の子たち。日本ではまだ観られません)


9位 ニック・キャノン (マライア・キャリーのだんな)


10位 アダム・ランバート (クイーンに就職せんでよかったね)


11位 ジョン・チョー (韓国人、最新版スター・トレックの日本人乗務員役)


12位 クリス・ドートリー (アメリカン・アイドル出身、日本でもラジオでばんばん流れてます)





こうして、みると、40代前後の男性が多いです。


ジョニー・デップなんか、46歳。

「高く評価」されるのは、もちろん、外見だけでは、ありません。

「セクシーは、一日にしてならず」。

…日本人、ひとりも入っとらんがな。
(イチローか、松井、「おくりびと」のもっくんぐらい、入れてあげてほしい。)



現在、日本で、「高く評価」されているものは、


「円高」の「円」だけ!

「円高は、一日にしてなっちゃう」。

…これは、実にまずい。



マレーシアの友人へのお返しは、

まったく「色気のない」プレゼントですが、

一万円でも包み、

むこうで、換金してもらいます。
















ベルリンの壁 と Tokyo Hotel






今年の11月で、「ベルリンの壁崩壊」から20周年。

「はやっ!」

と、思ったのは、40歳以上の方でしょうか。






当時、

日清カップヌードルのCMで、「ベルリンの壁崩壊」のニュース映像」が使用され、

ハンマーで壁を叩き壊すヒトのとなりで、

カップヌードルをすする、永瀬正敏さんが、見事に合成されていましたね。




「すごい。世界はどんどん変わっていくんだ!」

「すごい。映像ってこんなことできちゃうんだ!」

と、ドキドキ、ワクワクしながら、

その春、映像業に就職してしまいましたがな…。



ニュースによると、ドイツでは、

「ベルリンの壁」の歴史を知らない、若者が増えたそうです。



ある意味、平和になった証拠でしょうか??



さて、ご当地のベルリンでは、20周年を祝し、

MTV ・ヨーロッパ・ミュージックアワードが開催されました。


アメリカとヨーロッパでは、受賞するアーティストが、

ビミョーに違うのも、これまた、お国柄ですが、

「開催地に花を持たせる」という意味だけでなく、その実力と人気で、

ドイツ出身の若手バンド"Tokyo Hotel"が、またもや、たくさん受賞しました。




「とうきょうホテル」

と、読んじゃったヒトは、40歳以上ですね?

正しくは、「トキオ・ホテル」と読みます。




昨年、イギリス人の知り合い(50歳・お父さん)が、

「うちのムスメ、ドイツのロックバンドにはまっっちゃって、困っちゃうよ~。

朝から晩まで、ずーっと聞いてるんだよ~。」

というので、バンド名を尋ねたところ、やっぱり、Tokyo Hotelでした。


ドイツでは、驚異的なセールスを記録し、

ヨーロッパでは、10代のコたちから絶大な人気。

私は、すかさず、

「いいじゃないですか。演奏上手だし。」
と、なだめておきましたが、

お父さんたちにとっては、演奏力のことは、どうでもよく、

「うちのムスメが、あんなアタマして、あんな格好マネしたら…」と

このルックスが、どうしても、気にくわないらしい。




ちなみに、彼らが、こんなバンド名にしたのは、

「日本語の響きがカッコよかったから」らしいです。

また、ルックスも、日本のビジュアル系バンドを参考にしたというのが、

かわいらしいじゃございませんか。


こんなアタマして、こんな格好する若者が増えるということは、

それも、ある意味、比較的、平和である証拠ではないでしょうか。



どこの国であろうが、10代のコたちには、自由のない国に悩んでもらうより、

いかにして、このアタマを再現するか、朝っぱらから、

学校行く前に、悩んでもらう方がいいです。




このルックスより、私が気にくわないのは、

「なんでレコード会社は、ここまで、日本を持ち上げといて、

日本語の公式サイトを作ってやらんのじゃ」

ということです。



日本の10代にも、情報提供してあげてほしい。


ついでに、こーゆーコたちを、親善大使にして、

「ビジュアル系・コスプレ系」先進国の日本を、

さらにウリにしたらどうでしょう?





話は戻りますが、ある新聞の社説は、「ベルリンの壁崩壊20周年」について、

こんなことが、書いてありました。



「壁」崩壊から20年を前に訪米したドイツのメルケル首相は、米議会で「グローバリゼーションはどの大陸にも好機となることを理解してもらうのが政治家の責務だ」と演説し、グローバル化に後れをとった政府の協調体制の強化を唱えた。まさに、日本が率先して取り組むべきことである。
 経済自由化の恩恵は、いつまでも自動的に受け続けられるというものではない。ブッシュ政権下で米露関係が「新たな冷戦」と呼ばれるほど冷え込んだように、いつどこに新たな「壁」ができないとも限らない。地域間の交流を増やし、人の心に壁を作らないことが大切だ。地球温暖化対策への貢献も含めて、日本は国際的な相互依存のシステムをより進化させることに努めるべきだ。




もし、わが家に、10代のムスメ・ムスコがいたら、

まずは、ロック教育で、「グローバル化」を図り、

文化の「壁」と「心」の壁を作らないようにさせます。




母 「世界中の音楽を聴いて、世界中の映像を見なさい。

   世の中には、いろんなカタチで自分を表現してるコたちがいっぱいいるんだから。

   トキオ・ホテルだろうが、レディ・ガガだろうが、好きな髪型で、

   好きな格好しなさい」


子 「でも、そんな格好したら、お父さんに怒られるかも…」


母 「怒られるわけないでしょっ。
   お父さんなんか、髪もないのに、舞台で女装してるんだからっ。」





























































「BECK」映画化 と 反対署名


"BECK" ギターフィギアセット(Yumiコレクション)





日進月歩の映像技術を持ってすれば、

原作が、アニメだろうが、漫画だろうが、

「映画で実写化」など、「へ」でもない昨今、



「アニメ化は実現されたといえ、コレを実写化するのは、
かなり、難しいだろうな~」


と、思っていたのが、

月刊少年マガジンに、連載されていた「BECK」です。(ハロルド作石・著)



累計発行部数1500万部を突破した、

「ロック漫画の金字塔」、単行本全34巻、

MTVロック検定3級の私は、とうぜんっっっっ、全巻持っています。
ほら、BECKギターコレクションも、持ってます。




さて、この「BECK」が、「実写で映画化されるよ!」
某映像プロダクションの社長、兼、名古屋では珍しい
シューゲイザーバンド"The Soon"のギターヴォーカル
Motoshiから聞かされたのは、今年の6月、


「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 

と、まさに、ハロルド作石先生の漫画のに出てくる顔になり、
アゴがはずれそうになりました。



しかも、監督は、名古屋出身、堤幸彦監督。

ちなみに、原作のハロルド作石先生は、愛知県出身で、

私とは「母校」が同じなんです。

(そう、あの漫画「ゴリラーマン」の作者、わが校唯一の出世頭)



映画は、7月にクランクインされ、キャストも随時発表されています。


ヴォーカルのコユキ、

天才ギタリストの竜介くん、

ドラムのサクくん、

ベースの平くん、

ラッパーの千葉クン、

そして、真帆ちゃんも決定、



私は、映画「BECK」の公式ページをまめにチェックしながら、



「ダイイング・ブリードの、エディの役は、だれがやるの!?」

と、そればかりが気になり、はや数ヶ月、もう、胃潰瘍になりそうです。





「え~、エディは出てこないんじゃないのぉ?」



「出演依頼」のお声など、ちっともかからなかった、わが家の役者は、

私に、あっさり、こう、言いやがりました。




(思考・映像業モード)
…冷静に考えてみると。
エディの役は、アメリカの俳優さんじゃないといかんし。人選、そうとう大変…

(思考・ロックおたくモード)
…いや、まてまて、BECKは、日本の「商業ロック」にほだされず、
インディーズ出身で、アメリカに進出した日本のロックバンドというストーリーが、
ミソなワケで、ライバル兼親友のエディが出てこないBECKは、
「力石の出てこない、あしたのジョー」…
(思考・映像業モード)
…いや、でも、エディもさながら、ダイイング・ブリードのメンバーを全員揃えるとなると、
演技力だけじゃなく、全米No.1ロックバンドにふさわしい演奏力も要るし、
しかも、話、長くなるし。


(思考・ロックおたくモード)
…いや、だけど、エディが出てこないと、漫画「BECK」のファンの間で、
暴動が起こるかも…



などと、「おまえが考えんでもええっ!」ちゅうことを、あれこれ考えていたところ、

以下の、サイトを見つけてしまいました。



「BECK実写映画化・反対署名運動」




…なるほど。



MTVロック検定3級の私には、

みなさんの真摯なお気持ちと熱意は、
わからないでもないですが
どうか、ここは、ひとつ、

亡くなった、エディに免じて。
       

明るいニュース と メンタルブロック



"ミスユニバース2009"ミス・ルーマニア



以下の記事は、ルーマニアの昨年の「不景気対策」のニュースですが、

私は、数ヶ月前に、新聞記事で読みました。





【2008年6月26日 AFP】
ルーマニアの上院議会は25日、
国内のテレビ・ラジオ局に
「明るい」ニュースと「暗い」ニュースを同じ割合で放送することを義務付ける法案を、
全会一致で可決した。

法案は大統領の承認を受け施行される。
この法案は超党派の動きで、暗いニュースが国民の健康や生活に与える
「取り返しのつかない影響」を憂えた与党・国民自由党と、野党・大ルーマニア党の
2人の上院議員が提出した。 

法案の目的は
「社会全体の雰囲気を向上させ、日常生活において、精神的・感情的に
バランスのとれたものの見方をする機会を国民に提供する」ことだという。



…「与党」と「野党」が手を組んで、こういう法案を可決させたとは、

どこぞの島国とは、エライ違いです。



さて、どこぞの島国のマスコミは、あいかわらず、

「不景気をあおり、はしゃぎ、増幅させる」暗いニュースが、

連日、テレビで報道しています。



悲しいかな、その報道に、一喜一憂、右往左往し、踊らされているのは、

時には、テレビの仕事もする、私たち「映像業」自身でもあります。



特に、島国の中でも、さらにローカルな名古屋の映像業界は、

もともと、閉鎖的で保守的な土地柄であるせいか、

「東京ブランドに弱く」 「世間に右ならえ」 「出るクギは打つ」の

体質が根付いていました。



しかし、こんな土地柄で、唯一自慢できる、名古屋映像業のウリは、

東京と比べ、企画力、技術力に、卑屈になるほどの大きな差はないのに、

「もともと、東京より制作費が安い」ということでした。



今さら、言ってもしかたありませんが、



「東京のクライアントさん、明るいニュースです!

そのご予算でしたら、クォリティーは保持したまま、制作できます。

名古屋は、もともと、制作費が安いんです。

照明さん、音声さん、カメアシくん、ADちゃんも付いて、

機材フル装備で、はじめからこの価格! 映像制作はぜひ名古屋で!」



と、「名古屋のお得なバリューセット」を売り込むPは、
なぜ、いなかったのでしょう。

もともと安い制作費から人件費を減らし、自ら「負のスパイラル」
飛び込む前に。


「メンタルブロック」という言葉があります。

「そんなことやってもダメだよ」とか、
「そんなの最初からムリだよ」とか、

あるいは、

「あのヒトアラブ人だからテロリストかも」とか、

思い込みによる、否定的な意識の壁のことです。


連日、朝から晩まで、「不景気」「人員削減」「予算削減」と
「なにがなんでも安くせねば」と、テレビから聞こえてくれば、うっかり、
催眠術にかけられてしまうでしょう。


ルーマニアのニュース規制は、この催眠術を避け、
国民の士気を落とさないようにしたのではないでしょうか。


この「メンタルブロック」を打ち破ることこそ、景気回復のカギであると、
提言している経済学者もいます。


また、この「メンタルブロック」は、年齢を重ねるたびに記憶される、
失敗談や、まわりの批判によって、形成されていくそうです。

おじさんたち、気をつけてちょ~よ。
いらんこと、吹き込んで、若いコたちのやる気なくさんといてよ~。


それでは、最後に「明るいニュース」。



先日、地下鉄の中で、自分の肩を揉んでいたら、

隣に座っていた女性(推定20代後半)が、

「私が揉みましょう!」と言って、いきなり、肩をつかまれました。

さすがの私も、「!!!???$%&#」と、アタフタしたところ、

その女性は、恥ずかしそうに笑いながら、



「実は、私、マッサージ師なんです。まだ、新米ですけど。

肩が凝っているヒトを見ると、ほおっておけないんです。」



と、おっしゃいました。

「え~!? そ、そんな、プ、プロの方に、こんなところで、

タダで揉んでもらっては申し訳な…」と

言いつつ、ちゃっかり、ひと駅、揉んでもらいました。



不景気の中、やる気も、夢もなくしている人たちが多い中、

おそるべきプロ意識。


地下鉄の中で、「揉まれる」のは、「チカン」だけと思い込んでいた、

私の「メンタルブロック」は、この日、打ち破られました。



デンゼル・ワシントン と 巨匠日系カメラマン





「私の夢は、Denzel Washington(デンゼル・ワシントン) の腕の中で、死ぬことなの。

犯人と銃撃戦の最中、

Denzel をかばって、彼の前に飛び出した私が、

犯人に撃たれちゃうの。

そんで、Denzelは、私を抱きかかえて、涙ぐみながら、"I love you baby"と言い、

私は" I love you, too"と言って、息絶えるの。」



と、某録音スタジオのMAクンに話したところ、

「…ばかなヒトだなと思ってましたが、本当に、ばかだったんですね」

と言われました。





なんと言われようと、"デンゼル・ワシントン命" 私が、

8月に、"Subway 123"のプロモーションのために、

来日していらっしゃったことを、

ぜーーんっぜんっ、知らなかったコトは、そうとう、ばかでした。

一生の不覚。



慌てて、調べたところ、9年ぶりの来日で、

朝のワイドショーまで、ご出演され、

なんと、東京都営地下鉄の1日車掌さんまで、おやりになったそうです。


日本語で、「ハッシャシマ~ス」と構内アナウンスまでおやりになった時、

乗客のみなさんは「だれ、これ??」という反応だったそうですが、


もしも、名古屋の鶴舞線で、

「ハクセンノ、ウチガワデ、オマチクダサイ」

いうアナウンスをおやりになったら、

私は、「ハク…」ぐらいで、

「この声は、デンゼル!!!」と気づき、

改札を飛び越え、駅員室に乗り込んだに違いありません。



プロモーションのご挨拶のようすは、こちら。




ワイドショーにご出演のようすは、こちら。


鼻血が出そうです。




Denzel Washungton のご出演になった、

数々の映画についてや、すばらしい演技、偉業は、今さら語ることもないので、

割愛させていただきますが、

ずっと気になっていたことを、書きます。



Denzel Washingtonは、

スパイク・リー監督、リドリー・スコット監督、

トニー・スコット監督、ジョナサン・デミ監督などなど、

一流監督の映画に、何度も何度も、ご出演されています。


個人的には、やはり、スパイク・リー監督の「演出」が、

Denzelの「演技力」を、最大限に引き出しているように思いますが、


「映像」で、引き出しているのは、Tak Fujimoto(タク・フジモト)カメラマンだと思います。



Tak Fujimotoさんは、ハリウッドで活躍されている、

日系カメラマンで、

私の最も尊敬する映画カメラマンです。



フジモトカメラマンの手がけられた、一番有名な作品は、

「羊たちの沈黙 (The Silence of the Lambs)」ですが、



Denzel 出演の映画は、

「フィラデルフィア (Philadelphia) 」と

「クライシス・オブ・アメリカ (The Manchurian Candidate)」です。



ご本人は、アメリカ生まれのアメリカ育ちで、

日本語は、しゃべれないそうですが、

日本人のDNAなのか、はたまた、

ご本人が意識されていることなのかわかりませんが、

「日本映画」が思い起こされる構図が随所にうかがえるのです。



特に、俳優さんが、カメラ目線で演技する、

あのクローズアップの構図は、「小津映画?」と思ったのは、私だけ?


あの、「どアップ」に耐えられる演技力を持つ俳優さんを、

選んで、そうしていらっしゃるのかしら?


また、俳優さんも、あんなに「どアップ」にされた日にゃ、

一秒も気が抜けず、
シワひとつ、鼻の穴ひとつですらも、演技せざるを得なくなり、
相乗効果で、映画に迫力がでるんかしら?


「フィラデルフィア」の、Denzel、トム・ハンクスの白熱した演技は、もちろん、

アントニオ・バンデラスの、彫刻のような美しい顔だちに、息をのんでしまったのも、

この構図の力ならでは。

(プラス、私が、イヤラシイ目で見ていたからです。)



我が家の「俳優」の話によると、カメラをじーーーっと見たまま、
演技するほど、難しく、イヤなことはないそうです。



また、Fujimotoカメラマンの「空気を映し出す照明」で

高く評価されていらっしゃいますが、

人種の違う俳優さんの、肌の色、髪の色、目の色を、

より美しく、力強く見せる、照明の美しさは、

アメリカ人のカメラマンしかできないのかもしれません。



「クライシス・オブ・アメリカ」で、気を失ったDenzelが、

逆さまのアップで撮られていましたが、

あの息をのむような、美しい首筋は、構図と、照明の力ならでは。

(プラス、わたしが、イヤラシイ目で、見ていたからですが。)


Fujimotoカメラマンは、

片方が日本人の目で、片方がアメリカ人の目を

お持ちなのではないでしょうか。


うらやましい。


私は、Denzelを見る時は、まちがいなく

両方とも、ただのイヤラシイ目です。





Kクンのおじいちゃん と オバマ大統領のノーベル平和賞








現在、撮っている、自主ドキュメンタリー映画、

"Once a 100 years(100年に一度)"に、

出演していただいた、

野村健二さん(91歳)が、2009年10月8日、ご逝去されました。



謹んで、ご冥福をお祈りします。



野村健二さんは、「捕虜の虐待と優遇」の著者です。

戦時中、日本人捕虜を見放しにした、日本政府の実態を綴った

書籍の出版や、講演を通し、平和活動をされてきました。



『人道の活動はそれ自体が目的であるのに、日本政府は捕虜の優遇という方法のみを、政治の手段に採用しただけだった。その結果、アメリカ相手に無理してでも戦争に勝つためには、捕虜になることを許していてはならないと政策の変更したのである。だから、第二次大戦中、米軍が捕虜の名簿を日本軍に渡そうとすると、その名簿の受け取りを拒否する始末である。日本人に捕虜はいないというのである。捕虜条約を日本は教えなかったどころか、東条英機は捕虜を扱う日本人に捕虜虐待を認めもした。同じ頃ドゴールは捕虜条約を遵守する声明を出している。 ラバウルで捕虜になったとき、他の部隊のものが「俺たちを助けてくれたのはオーストラリアの衛生兵だ」』



そして、野村健二さんは、

いっしょに、自主映画を撮ってくれている、

Kクンの、おじいちゃんなのです。



孫のKクンが、自ら撮ってきてくれた、
おじいちゃんの貴重なインタビューと、想いは、
私たちの映画の中で、
生き続けていただきます。




そして、翌日、2009年10月9日、
オバマ大統領が、ノーベル平和賞を受賞しました。
受賞の理由は、もちろん、プラハの「核兵器廃絶」宣言です。


今年の夏、ワシントンDCに行った時、
私は、オバマ大統領のインタビューを!!
…さすがに、撮れませんでしたが、
ホワイトハウスの写真だけは、撮ってきました。


「人道、平和は手段でなく目的である」と訴え続けてこられた、
Kクンのおじいちゃん、
世界平和は、オバマ大統領と、私が、
日米合同で、引き継がせていただきます。

(あ、Kクンも、手伝わせます。
あんなに、ぜんざい食べてたので、当然、手伝います。)




エミー賞 と geekクン

また、受賞式の話題です。

おなじみの「ER緊急救命室」をはじめ、
「24」「lost」など、海外ドラマにはまっているみなさん、

映画は「アカデミー賞」、
音楽は「グラミー賞」、
演劇は「トニー賞」、

そして、栄えあるテレビ番組の賞は、「エミー賞」です。
先月、第61回「エミー賞」の授賞式が行われました。
注目部門の受賞は、


●ドラマシリーズ部門  作品賞「Mad Men」 (2年連続受賞!)
●コメディシリーズ部門 作品賞「30 Rock」 (3年連続受賞!)
 

でした。



「Mad Men」は、すでに、日本でも放映されていますが、
「30 Rock」は、未だに、未公開。

おそい。遅すぎるっ。

私は、この「30 Rock」が、
見たくて、見たくて、見たくて、見たくて、
放映されるのを、待ち望んでいます。


このドラマは、「テレビ局が舞台となったコメディ」ですが、
決して「業界のネタ」ドラマが見たいのではなく、
ここに出演している、コメディアンの男性が、
見たいのです。



そのコメディアンの名は
Jack McBrayer (ジャック・マクブレイヤー)くん。


ドラマの中の役は、

「人柄はよく、やる気だけはあるのだが、
イマイチ役にたっていない、geek(おたく)なADくん」

です。


「…いるいる、そういうヤツ」と、つぶやいた方。見たくなりましたか?


今年は、とうとう、コメディ・シリーズ部門の助演男優賞に、
ノミネートされましたが、
残念ながら、受賞できませんでした。
ほんっとに、残念。


わが家の「コメディアン」も、同業者として
(次元はちがいますが)
すっかり、一目置き、かげながら、応援していました。


どれぐらい笑えるのか、ちょっと、見てみたくなった方、
名前を聞いただけでは、わからない方も、
これなら、見たことあるのではないでしょうか。


マライア・キャリーのミュージックビデオで共演した、
あの「妄想青年」です。


http://www.youtube.com/watch?v=CzxR8OH-fDQ



マライア・キャリーを相手に、「なりきった演技」で、
主役のマライアを、くってしまいました。

ドラマの中の「おたくなADくん」と、同じキャラだそうです。


「ああっ、コイツかっ!」と、つぶやいた方、
ドラマ、見たくなりましたか?




カントリーガール と Jackass


MTV video Music Awards 2009の受賞者が
決まりました。

注目部門を受賞したのは、

●最優秀ビデオ賞/Video of the Year
ビヨンセ "Single Ladies (Put a Ring on It)"

http://www.youtube.com/watch?v=7B98AtvgzNA&feature=related

●最優秀女性アーティスト・ビデオ賞/Best Female Video
テイラー・スウィフト "You Belong With Me"
http://vodpod.com/watch/1665870-youtube-taylor-swift-you-belong-with-me-official-music-video-real-hd


ビヨンセさま、おめでとうございます。


しかしっ、今年は!!!

マドンナさまの、マイケル・ジャクソン追悼スピーチも、
だれの、どのビデオが受賞したか、なんてことも、
すっかり、忘れさられてしまうような「大変な騒ぎ」がありました。

「カニエ・ウェスト乱入暴言」事件です。

OA当日、爆睡していた私は、だんなに、

「大変な騒ぎになってる」とゆり起こされ、
ひきつづき、マレーシアの友人からは、

「こっちでは大変な騒ぎになってるけど、日本ではどうっ?!」
と、メールがきました。


…日本では、それほど「大変な騒ぎ」になっていないので、
ざっと説明しますと、

今年のオープニングは、マイケル・ジャクソン追悼のための、
マドンナさまのスピーチから始まりました。


オバマ大統領の就任演説を彷彿させるような、
感動的な追悼スピーチに、みんなうるうる。

その直後、事件が発生しました。

「最優秀女性アーティストビデオ賞」テイラー・スウィフトちゃんの、
受賞スピーチに、カニエ・ウェストがのりこんできて、
マイクを奪い取り、
「テイラー、きみが受賞してうれしいけど、この賞は、
ビヨンセに与えられるべきだったよ!」と、はき捨てて言ったのです。

19歳のテイラーちゃんは、ステージの上で、固まって、泣きべそ寸前。
カメラは、すかさず、客席にいたビヨンセさまの「Whaaaat?!」 をアップ。

会場全体、ブーイングの嵐。

その後、カニエ・ウェスト自身も、ヒップホップ部門などで、

ノミネートされますが、名前を呼ばれるたびに 、
会場から、大ブーイング。


そして、この、殺気だった空気を変えたのは、
クライマックスで、「最優秀ビデオ賞」を受賞したビヨンセさまでした。

にっこり笑い、優雅にステージにあがると、

「私は、17歳のとき、はじめて賞をいただき、ここでスピーチしたことは、
忘れられません。ここで、テイラーに、

スピーチのつづきをさせてあげたいと思います。」

と、テイラーちゃんに、スピーチを譲ったのです。

会場は、「テイラー、テイラー!」 「ビヨンセ、ビヨンセ!」の大喝采。
さすが、ビヨンセさま。あっばれ。

…以上が、「カニエ・ウェスト乱入暴言事件」です。


後日、海外のニュースでは、各局でとりあげられ、
カニエ・ウェストは、ネットでも、テレビでも、ひら謝り。

(酔っ払っていたのです)
それでも、みなさん気が済まず、「カニエ、あほか!」の
誹謗中傷が、ネットに殺到。

ついでに、オバマ大統領までが、オフレコ記者会見で

「…Jackass(まぬけ)」
と言ったことが 、話題となっていたようです。
突然の乱入に、テイラーちゃんも、そうとう、ビビってましたが、
もっと、ビビったのは、
彼女のミュージックビデオを撮ったカントクさんだと思います。

なぜかというと、


彼女は、アメリカの田舎出身で、
曲のジャンルは「カントリー」です。

アメリカの「カントリー」は、日本では「演歌」 に相当しますが、
これまで、MTVの「最優秀女性ビデオ賞」に、
カントリーのコが、ノミネートされるようなことなど 、
決してありませんでした!



けなげ~で、いじらし~く、あかぬけな~い、
カントリー・シンガーのテイラーちゃんを、
ブレイクさせたのは、ミュージックビデオのカントクといっても、

過言ではありません。




「あ~っっっ、ここで、"Thank you for だれだれdirector"、と、
ぼくの名前が、呼ばれるはずたったのにぃ~っ。
カニエ・ウェストじゃますんなよーーっっっ」


もし、私がカントクだったら、テイラーちゃんより、先に泣きます。
決して、ありえませんが…。




追記 : テイラーちゃんは、ミュージックビデオの中で、一人二役を演じています。
    

 歌詞: "彼女は、ミニ・スカートなのに、私は、T-シャツ。
       彼女は、ハイヒールなのに、私は、スニーカー。
       彼女は、チアガールのリーダーなのに、私は、ブラスバンド。"
       彼女は、あなたのジョークが通じないけど、私はわかるのよ。
       彼女は、あなたの話にムカついてるけど、私はちゃんと聞いてあげるのよ
       だから、You belong with me.(あなたは私といるべきなのよ)"

   
     
   

のりぴー と デルタリーナ



以前、友人から、
「…ひょっとして、ソフト・レズ?」
と聞かれたことがあります。

疑惑をかけられても、仕方ありません。
私は、それほど、「美女」が好きなのです。

美女がキライ、というヒトはあまりいないと思いますが、
私の場合、美女を見かけると、ところかまわず、

1.動悸が激しくなり、
2.「おキレイですね!」と声をかけずにはいられず、
3.名前を聞かねば気が済まず、
4.どうしても、写真を撮らせてもらいたくなり、
5.あわよくばお友達に。

と、病的なまでに、5段階にエスカレートしてしまいます。


さて、先日、酒井法子さんが、保釈されたのを
テレビのニュースで見ましたが、
「う~ん、テレビでは、彼女の美しさが伝わりづらい」と、
事件とは関係ないところで、がっかりしていました。


実は、十数年前、偶然、ナマ・のりぴーを見たのです。

某テレビ局のウラの、お好み焼き屋さんで、打ち上げかなんかをしていたところ、
スタッフが、彼女を連れてきて、私たちの仲間に紹介し、そのまま、

別席に連れて行きました。

スタッフの肩越しにひょいっと顔を出し、「おつかれさまです」と言ったのりぴーは、
この世のものとは、思えない美しさでした。

深い森の木の陰から、ひょいっと顔を出した、しなやかな雌鹿のようでした。

あの、汚いお好み屋さんの中で、
のりぴーだけが、オーラに包まれ、発光していました。

ほんの数秒のできごとで、私の「美女病」の発作が起きるスキが
なかったことが、今、思えば、幸いでした。
そんなことしたら、私が、捕まってます。


これまで、モデルさんや女優さんと、ご一緒しお仕事する機会が、
ありましたが、あれほどのオーラで発光していたのは、
のりぴーだけです。



そして、最近、重度の「美女病」が発病しました。
デルタ航空の中です。しかも、その美女は、モニターの中。


百聞は一見にしかず、このyoutubeの映像をご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=MgpzUo_kbFY


このビデオの女性は、女優のアンジョリーナ・ジョリーに
似ていることから、
「デルタリーナ」と呼ばれているそうです。

現在、航空会社では、「乗客が機内安全ビデオを全然見てくれない」
ということが、問題になっており、各社、工夫を凝らしているそうですが、
その成功例が、この、デルタ航空の「デルタリーナ」です。


"Smorking, is not allowed."
の、人差し指で、魔法にかけられ、くぎづけになり、
「美女病」1の動悸が始まり、モニターに向って、ついレベル2まで…。

ナマ・デルタリーナに、目の前で、こんなことされたら、
機内でたばこを吸わないどころか、その場で、禁煙を誓います。


美女が社会にもたらす影響は、はかりしれません。
不景気も、世界平和も、美女なら解決できるかもしれません。




また、デルタリーナだけでなく、このビデオの演出、なんとも私好み。


デルタリーナの素性と、
このビデオのディレクターをご存知の方は、
ぜひ、ご連絡ください。















Rocky と Philadelphia

Philadelphiaに行ってきました


ペンシルヴァニア州・フィラデルフィア市は、
アメリカ独立宣言の街、
数々の映画の舞台になっています。


中でも、有名なのは、"Rocky".



映画の中で、Rockyが、駆け上って、トレーニングする、
フィラデルフィア美術館の階段は、
「ロッキー・ステップ」と呼ばれ、観光客が、マネして駆け上がっては、
上でガッツポーズを キメるのは、
もう、おやくそく。




美術館の横にある、Rockyの銅像の前で、銅像と同じ
ガッツポーズで 記念写真を撮るのも、
これまた、おやくそく。
いや、たぶん、規則。



フィラデルフィアにとって、Rockyは、
映画の登場人物ではなく、
実在する「名誉市民」「わが街の誇り」といったカンジです。

美術館をはじめ、Rockyのロケ現場跡地を、集中的に巡り、同じカット割りで 撮影したりして、 さんざん自己満足したあと、
うちへ帰ってきてからというもの、

"Rocky"
"Rocky2-3-4-5"
"Rocky Balboa(ロッキー・ザ・ファイナル)"

と、とりつかれたように、6本立て続けに、観なおし、
「あっ、ここ、見た見た!」と、再確認していました。

別に、シルヴェスター・スタローン氏のファンでもないのに、

なぜ、こんなに執着したかというと、
はじめて"Rocky"を観たとき、

まさに、キョーレツなボディーブローを、くらったカンジがしたからです。

「…なんちゅう、貧乏くさい映画」。

その、貧乏くさい映画は、「赤と茶色」が印象的で、のちに、自分で検証したところ、
赤は、Rockyの血と、グローブの色、
茶色は、フィラデルフィアのレンガの家々と、さびついた壁、黒人のボクサーでした。


また、Rockyが、内気なエイドリアンを口説き落とすシーンで、
こっちまで緊張してくるような、ぎこちな~いkissシーンは、
とてもアメリカ映画とは思えませんでした。

これも、のちに検証したところ、エイドリアン役の女優タリア・シャイアさんは、
フランシス・F・コッポラ監督の実の妹さんでした。
そりゃ、緊張するわ。スタローン氏は、まだ無名です。



「KOされたのごとく感動した映画」とは、ちょっと違う、キョーレツな、
ボディーブローは、じわじわと効いて、後遺症として残りました。

映画"Rocky"は、
当時、無名で、貧乏で、ポルノ俳優だった、スタローン氏が、
3日間でシナリオを書いて、持込みで制作された、20世紀の大当たり作品です。

制作は、もちろん、超・低予算。
試合の観客は、フライドチキンで雇ったエキストラで、
食べ終わったら帰っちゃうし、
パンチされて、だんだん腫れ上がっていく顔を、メイクで作ると、
お金がかかるということで、メイクを落としながら、撮っていったそうです。


つまり、ボクシングの試合シーンは、順撮りではなく、15ラウンドめからの、逆撮り。
(これを知ってから観ると、途中で、気が遠くなってきます。)

また、フィラデルフィアのみなさんは、
「本物のボクサーのドキュメンタリー映画」と
カンチガイし、街を走るスタローン氏に、
「がんばれよ~」と声をかけて、りんごを投げてくれるシーンが、
そのまま使われています。 スタローン氏、まだ、無名ですから。

貧乏くさいエピソードは、山ほどありますが、 この、お金がなかったゆえに、
撮れちゃった画と、 「火事場のばか力」は、
お金をつぎこんでも、二度と取り戻せないことでしょう。

スタローン氏、本人でも。

"Rocky"は、シリーズを重ねるごとに、ロケ地が増えますが、
"ロッキー・ザ・ファイナル"では、
再び、フィラデルフィアが、メインとなっています。

映画批評はさておき、なんとも、義理堅い。

最愛の妻・エイドリアンを亡くし、老体で戦うRockyに恋する、シングルマザーの女性が、
初回で出演していた、近所の悪ガキ少女だというのも、なんとも義理堅い。
30年前に映画で観たフィラデルフィア街は、
高層ビルも増え、いくぶん、こぎれいになっていましたが、
Rockyが走り回っていた下町は、ほぼ同じ、

「赤と茶色」の貧乏臭さと、きな臭さが残っていました。
フィラデルフィアの「火事場のばか力」の種火のような、
才気溢れるだれかが、 どこかで、くすぶっていて、
「いつでも、発火してやるぜ。」と、言っているような、においがしました。


種火といえば…、

Rockyのリングネームは、"イタリアン・スタリオン(Italian Stallion)"
「イタリアの種馬」です。
シリーズを通し、対戦相手のボクサーから、
スタリオン、スタリオン、と呼ばれていました。子どもの前でも。

映画批評はさておき、


スタローン氏も、まさか、シリーズが6本も続き、Rockyが60歳で戦うことまで
想定していれば、 「種馬」、なんて、リングネームは、
つけなかったことでしょう。