カントリーガール と Jackass


MTV video Music Awards 2009の受賞者が
決まりました。

注目部門を受賞したのは、

●最優秀ビデオ賞/Video of the Year
ビヨンセ "Single Ladies (Put a Ring on It)"

http://www.youtube.com/watch?v=7B98AtvgzNA&feature=related

●最優秀女性アーティスト・ビデオ賞/Best Female Video
テイラー・スウィフト "You Belong With Me"
http://vodpod.com/watch/1665870-youtube-taylor-swift-you-belong-with-me-official-music-video-real-hd


ビヨンセさま、おめでとうございます。


しかしっ、今年は!!!

マドンナさまの、マイケル・ジャクソン追悼スピーチも、
だれの、どのビデオが受賞したか、なんてことも、
すっかり、忘れさられてしまうような「大変な騒ぎ」がありました。

「カニエ・ウェスト乱入暴言」事件です。

OA当日、爆睡していた私は、だんなに、

「大変な騒ぎになってる」とゆり起こされ、
ひきつづき、マレーシアの友人からは、

「こっちでは大変な騒ぎになってるけど、日本ではどうっ?!」
と、メールがきました。


…日本では、それほど「大変な騒ぎ」になっていないので、
ざっと説明しますと、

今年のオープニングは、マイケル・ジャクソン追悼のための、
マドンナさまのスピーチから始まりました。


オバマ大統領の就任演説を彷彿させるような、
感動的な追悼スピーチに、みんなうるうる。

その直後、事件が発生しました。

「最優秀女性アーティストビデオ賞」テイラー・スウィフトちゃんの、
受賞スピーチに、カニエ・ウェストがのりこんできて、
マイクを奪い取り、
「テイラー、きみが受賞してうれしいけど、この賞は、
ビヨンセに与えられるべきだったよ!」と、はき捨てて言ったのです。

19歳のテイラーちゃんは、ステージの上で、固まって、泣きべそ寸前。
カメラは、すかさず、客席にいたビヨンセさまの「Whaaaat?!」 をアップ。

会場全体、ブーイングの嵐。

その後、カニエ・ウェスト自身も、ヒップホップ部門などで、

ノミネートされますが、名前を呼ばれるたびに 、
会場から、大ブーイング。


そして、この、殺気だった空気を変えたのは、
クライマックスで、「最優秀ビデオ賞」を受賞したビヨンセさまでした。

にっこり笑い、優雅にステージにあがると、

「私は、17歳のとき、はじめて賞をいただき、ここでスピーチしたことは、
忘れられません。ここで、テイラーに、

スピーチのつづきをさせてあげたいと思います。」

と、テイラーちゃんに、スピーチを譲ったのです。

会場は、「テイラー、テイラー!」 「ビヨンセ、ビヨンセ!」の大喝采。
さすが、ビヨンセさま。あっばれ。

…以上が、「カニエ・ウェスト乱入暴言事件」です。


後日、海外のニュースでは、各局でとりあげられ、
カニエ・ウェストは、ネットでも、テレビでも、ひら謝り。

(酔っ払っていたのです)
それでも、みなさん気が済まず、「カニエ、あほか!」の
誹謗中傷が、ネットに殺到。

ついでに、オバマ大統領までが、オフレコ記者会見で

「…Jackass(まぬけ)」
と言ったことが 、話題となっていたようです。
突然の乱入に、テイラーちゃんも、そうとう、ビビってましたが、
もっと、ビビったのは、
彼女のミュージックビデオを撮ったカントクさんだと思います。

なぜかというと、


彼女は、アメリカの田舎出身で、
曲のジャンルは「カントリー」です。

アメリカの「カントリー」は、日本では「演歌」 に相当しますが、
これまで、MTVの「最優秀女性ビデオ賞」に、
カントリーのコが、ノミネートされるようなことなど 、
決してありませんでした!



けなげ~で、いじらし~く、あかぬけな~い、
カントリー・シンガーのテイラーちゃんを、
ブレイクさせたのは、ミュージックビデオのカントクといっても、

過言ではありません。




「あ~っっっ、ここで、"Thank you for だれだれdirector"、と、
ぼくの名前が、呼ばれるはずたったのにぃ~っ。
カニエ・ウェストじゃますんなよーーっっっ」


もし、私がカントクだったら、テイラーちゃんより、先に泣きます。
決して、ありえませんが…。




追記 : テイラーちゃんは、ミュージックビデオの中で、一人二役を演じています。
    

 歌詞: "彼女は、ミニ・スカートなのに、私は、T-シャツ。
       彼女は、ハイヒールなのに、私は、スニーカー。
       彼女は、チアガールのリーダーなのに、私は、ブラスバンド。"
       彼女は、あなたのジョークが通じないけど、私はわかるのよ。
       彼女は、あなたの話にムカついてるけど、私はちゃんと聞いてあげるのよ
       だから、You belong with me.(あなたは私といるべきなのよ)"

   
     
   

のりぴー と デルタリーナ



以前、友人から、
「…ひょっとして、ソフト・レズ?」
と聞かれたことがあります。

疑惑をかけられても、仕方ありません。
私は、それほど、「美女」が好きなのです。

美女がキライ、というヒトはあまりいないと思いますが、
私の場合、美女を見かけると、ところかまわず、

1.動悸が激しくなり、
2.「おキレイですね!」と声をかけずにはいられず、
3.名前を聞かねば気が済まず、
4.どうしても、写真を撮らせてもらいたくなり、
5.あわよくばお友達に。

と、病的なまでに、5段階にエスカレートしてしまいます。


さて、先日、酒井法子さんが、保釈されたのを
テレビのニュースで見ましたが、
「う~ん、テレビでは、彼女の美しさが伝わりづらい」と、
事件とは関係ないところで、がっかりしていました。


実は、十数年前、偶然、ナマ・のりぴーを見たのです。

某テレビ局のウラの、お好み焼き屋さんで、打ち上げかなんかをしていたところ、
スタッフが、彼女を連れてきて、私たちの仲間に紹介し、そのまま、

別席に連れて行きました。

スタッフの肩越しにひょいっと顔を出し、「おつかれさまです」と言ったのりぴーは、
この世のものとは、思えない美しさでした。

深い森の木の陰から、ひょいっと顔を出した、しなやかな雌鹿のようでした。

あの、汚いお好み屋さんの中で、
のりぴーだけが、オーラに包まれ、発光していました。

ほんの数秒のできごとで、私の「美女病」の発作が起きるスキが
なかったことが、今、思えば、幸いでした。
そんなことしたら、私が、捕まってます。


これまで、モデルさんや女優さんと、ご一緒しお仕事する機会が、
ありましたが、あれほどのオーラで発光していたのは、
のりぴーだけです。



そして、最近、重度の「美女病」が発病しました。
デルタ航空の中です。しかも、その美女は、モニターの中。


百聞は一見にしかず、このyoutubeの映像をご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=MgpzUo_kbFY


このビデオの女性は、女優のアンジョリーナ・ジョリーに
似ていることから、
「デルタリーナ」と呼ばれているそうです。

現在、航空会社では、「乗客が機内安全ビデオを全然見てくれない」
ということが、問題になっており、各社、工夫を凝らしているそうですが、
その成功例が、この、デルタ航空の「デルタリーナ」です。


"Smorking, is not allowed."
の、人差し指で、魔法にかけられ、くぎづけになり、
「美女病」1の動悸が始まり、モニターに向って、ついレベル2まで…。

ナマ・デルタリーナに、目の前で、こんなことされたら、
機内でたばこを吸わないどころか、その場で、禁煙を誓います。


美女が社会にもたらす影響は、はかりしれません。
不景気も、世界平和も、美女なら解決できるかもしれません。




また、デルタリーナだけでなく、このビデオの演出、なんとも私好み。


デルタリーナの素性と、
このビデオのディレクターをご存知の方は、
ぜひ、ご連絡ください。















Rocky と Philadelphia

Philadelphiaに行ってきました


ペンシルヴァニア州・フィラデルフィア市は、
アメリカ独立宣言の街、
数々の映画の舞台になっています。


中でも、有名なのは、"Rocky".



映画の中で、Rockyが、駆け上って、トレーニングする、
フィラデルフィア美術館の階段は、
「ロッキー・ステップ」と呼ばれ、観光客が、マネして駆け上がっては、
上でガッツポーズを キメるのは、
もう、おやくそく。




美術館の横にある、Rockyの銅像の前で、銅像と同じ
ガッツポーズで 記念写真を撮るのも、
これまた、おやくそく。
いや、たぶん、規則。



フィラデルフィアにとって、Rockyは、
映画の登場人物ではなく、
実在する「名誉市民」「わが街の誇り」といったカンジです。

美術館をはじめ、Rockyのロケ現場跡地を、集中的に巡り、同じカット割りで 撮影したりして、 さんざん自己満足したあと、
うちへ帰ってきてからというもの、

"Rocky"
"Rocky2-3-4-5"
"Rocky Balboa(ロッキー・ザ・ファイナル)"

と、とりつかれたように、6本立て続けに、観なおし、
「あっ、ここ、見た見た!」と、再確認していました。

別に、シルヴェスター・スタローン氏のファンでもないのに、

なぜ、こんなに執着したかというと、
はじめて"Rocky"を観たとき、

まさに、キョーレツなボディーブローを、くらったカンジがしたからです。

「…なんちゅう、貧乏くさい映画」。

その、貧乏くさい映画は、「赤と茶色」が印象的で、のちに、自分で検証したところ、
赤は、Rockyの血と、グローブの色、
茶色は、フィラデルフィアのレンガの家々と、さびついた壁、黒人のボクサーでした。


また、Rockyが、内気なエイドリアンを口説き落とすシーンで、
こっちまで緊張してくるような、ぎこちな~いkissシーンは、
とてもアメリカ映画とは思えませんでした。

これも、のちに検証したところ、エイドリアン役の女優タリア・シャイアさんは、
フランシス・F・コッポラ監督の実の妹さんでした。
そりゃ、緊張するわ。スタローン氏は、まだ無名です。



「KOされたのごとく感動した映画」とは、ちょっと違う、キョーレツな、
ボディーブローは、じわじわと効いて、後遺症として残りました。

映画"Rocky"は、
当時、無名で、貧乏で、ポルノ俳優だった、スタローン氏が、
3日間でシナリオを書いて、持込みで制作された、20世紀の大当たり作品です。

制作は、もちろん、超・低予算。
試合の観客は、フライドチキンで雇ったエキストラで、
食べ終わったら帰っちゃうし、
パンチされて、だんだん腫れ上がっていく顔を、メイクで作ると、
お金がかかるということで、メイクを落としながら、撮っていったそうです。


つまり、ボクシングの試合シーンは、順撮りではなく、15ラウンドめからの、逆撮り。
(これを知ってから観ると、途中で、気が遠くなってきます。)

また、フィラデルフィアのみなさんは、
「本物のボクサーのドキュメンタリー映画」と
カンチガイし、街を走るスタローン氏に、
「がんばれよ~」と声をかけて、りんごを投げてくれるシーンが、
そのまま使われています。 スタローン氏、まだ、無名ですから。

貧乏くさいエピソードは、山ほどありますが、 この、お金がなかったゆえに、
撮れちゃった画と、 「火事場のばか力」は、
お金をつぎこんでも、二度と取り戻せないことでしょう。

スタローン氏、本人でも。

"Rocky"は、シリーズを重ねるごとに、ロケ地が増えますが、
"ロッキー・ザ・ファイナル"では、
再び、フィラデルフィアが、メインとなっています。

映画批評はさておき、なんとも、義理堅い。

最愛の妻・エイドリアンを亡くし、老体で戦うRockyに恋する、シングルマザーの女性が、
初回で出演していた、近所の悪ガキ少女だというのも、なんとも義理堅い。
30年前に映画で観たフィラデルフィア街は、
高層ビルも増え、いくぶん、こぎれいになっていましたが、
Rockyが走り回っていた下町は、ほぼ同じ、

「赤と茶色」の貧乏臭さと、きな臭さが残っていました。
フィラデルフィアの「火事場のばか力」の種火のような、
才気溢れるだれかが、 どこかで、くすぶっていて、
「いつでも、発火してやるぜ。」と、言っているような、においがしました。


種火といえば…、

Rockyのリングネームは、"イタリアン・スタリオン(Italian Stallion)"
「イタリアの種馬」です。
シリーズを通し、対戦相手のボクサーから、
スタリオン、スタリオン、と呼ばれていました。子どもの前でも。

映画批評はさておき、


スタローン氏も、まさか、シリーズが6本も続き、Rockyが60歳で戦うことまで
想定していれば、 「種馬」、なんて、リングネームは、
つけなかったことでしょう。