明るいニュース と メンタルブロック



"ミスユニバース2009"ミス・ルーマニア



以下の記事は、ルーマニアの昨年の「不景気対策」のニュースですが、

私は、数ヶ月前に、新聞記事で読みました。





【2008年6月26日 AFP】
ルーマニアの上院議会は25日、
国内のテレビ・ラジオ局に
「明るい」ニュースと「暗い」ニュースを同じ割合で放送することを義務付ける法案を、
全会一致で可決した。

法案は大統領の承認を受け施行される。
この法案は超党派の動きで、暗いニュースが国民の健康や生活に与える
「取り返しのつかない影響」を憂えた与党・国民自由党と、野党・大ルーマニア党の
2人の上院議員が提出した。 

法案の目的は
「社会全体の雰囲気を向上させ、日常生活において、精神的・感情的に
バランスのとれたものの見方をする機会を国民に提供する」ことだという。



…「与党」と「野党」が手を組んで、こういう法案を可決させたとは、

どこぞの島国とは、エライ違いです。



さて、どこぞの島国のマスコミは、あいかわらず、

「不景気をあおり、はしゃぎ、増幅させる」暗いニュースが、

連日、テレビで報道しています。



悲しいかな、その報道に、一喜一憂、右往左往し、踊らされているのは、

時には、テレビの仕事もする、私たち「映像業」自身でもあります。



特に、島国の中でも、さらにローカルな名古屋の映像業界は、

もともと、閉鎖的で保守的な土地柄であるせいか、

「東京ブランドに弱く」 「世間に右ならえ」 「出るクギは打つ」の

体質が根付いていました。



しかし、こんな土地柄で、唯一自慢できる、名古屋映像業のウリは、

東京と比べ、企画力、技術力に、卑屈になるほどの大きな差はないのに、

「もともと、東京より制作費が安い」ということでした。



今さら、言ってもしかたありませんが、



「東京のクライアントさん、明るいニュースです!

そのご予算でしたら、クォリティーは保持したまま、制作できます。

名古屋は、もともと、制作費が安いんです。

照明さん、音声さん、カメアシくん、ADちゃんも付いて、

機材フル装備で、はじめからこの価格! 映像制作はぜひ名古屋で!」



と、「名古屋のお得なバリューセット」を売り込むPは、
なぜ、いなかったのでしょう。

もともと安い制作費から人件費を減らし、自ら「負のスパイラル」
飛び込む前に。


「メンタルブロック」という言葉があります。

「そんなことやってもダメだよ」とか、
「そんなの最初からムリだよ」とか、

あるいは、

「あのヒトアラブ人だからテロリストかも」とか、

思い込みによる、否定的な意識の壁のことです。


連日、朝から晩まで、「不景気」「人員削減」「予算削減」と
「なにがなんでも安くせねば」と、テレビから聞こえてくれば、うっかり、
催眠術にかけられてしまうでしょう。


ルーマニアのニュース規制は、この催眠術を避け、
国民の士気を落とさないようにしたのではないでしょうか。


この「メンタルブロック」を打ち破ることこそ、景気回復のカギであると、
提言している経済学者もいます。


また、この「メンタルブロック」は、年齢を重ねるたびに記憶される、
失敗談や、まわりの批判によって、形成されていくそうです。

おじさんたち、気をつけてちょ~よ。
いらんこと、吹き込んで、若いコたちのやる気なくさんといてよ~。


それでは、最後に「明るいニュース」。



先日、地下鉄の中で、自分の肩を揉んでいたら、

隣に座っていた女性(推定20代後半)が、

「私が揉みましょう!」と言って、いきなり、肩をつかまれました。

さすがの私も、「!!!???$%&#」と、アタフタしたところ、

その女性は、恥ずかしそうに笑いながら、



「実は、私、マッサージ師なんです。まだ、新米ですけど。

肩が凝っているヒトを見ると、ほおっておけないんです。」



と、おっしゃいました。

「え~!? そ、そんな、プ、プロの方に、こんなところで、

タダで揉んでもらっては申し訳な…」と

言いつつ、ちゃっかり、ひと駅、揉んでもらいました。



不景気の中、やる気も、夢もなくしている人たちが多い中、

おそるべきプロ意識。


地下鉄の中で、「揉まれる」のは、「チカン」だけと思い込んでいた、

私の「メンタルブロック」は、この日、打ち破られました。



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