国家と品格

















このヒトが、MTVじゃなく、CNNに、こんなに頻繁に出るなんて…。




8/20、
わが社の名誉社長ワイクリフ・ジョンは、
ハイチ選挙管理委員から、大統領出馬を
「不承認」されました。

理由は、「過去5年間連続でハイチに居住しなくてはならない」
という、基準(法律?)を、満たしていなかったためだそうです。

一旦は、「納得はできませんが、謹んで受け止めたい。
と、インタビューに答えていました。


が、もう、この時点で、すでに、論議が巻き起こり、

ワイクリフ賛成派  
「ハイチ政府は、まず、その基準を変えろ」
「これまで何十年も貢献してきてくれたのに、5年の意味は?」
「承認しなけりゃ、暴動がおこるぞ」
           

ワイクリフ反対派 
「おまえは、5、も数えられんのか?」
「ヒップホップミュージシャンの分際であつかましい」
                
過激な反対派からは、殺してやる、という
脅迫状まで送られてきたそうで、
(ショーン・ペンじゃないだろうね?)
ハイチのプレヴァル・現大統領から、
「とりあえず警護を強化し、避難してください」と
警告を受けた…

にも、かかわらず! おとなしく、帰るどころか、

8/23、
ワイクリフの弁護団とともに、立ち上がり、
「基準に、問題はないはず。私たちはあきらめません。
ハイチ選挙管理委員と戦う」と、宣言しちゃいました。

なんで「問題がない」かというと、
ワイクリフは、2007年に、プレヴァル現大統領から
「移動大使」に任命され、
=ハイチ国外の居住を大統領自身から認められてるから、
なんだそうです。


自分の国の法律も、よくわからんのに、
よその国の法律は、よくわかりませんが、
転んでもただじゃ起きない、
わが名誉社長の、おどろくべき点は、

8/27
「ハイチの選挙管理委員を非難する、新曲を発表した」ことです。
                                                                     ↓
http://wyclefjean.files.wordpress.com/2010/08/wyclef-jean-prizon-pou-k-e-p-a.mp3

早いっっ。さすが本業。
もう、こんだけ、ちゃっちゃと、仕事できるヒトなら、
出馬ぐらいは、させてやっても、ええんじゃないの?
決めるのは国民なんだから。

♪ 大統領は、コーヒーを入れてくれて、友情を分かち合おうと言ったのに、
  なんで、私を拒否するんだ。
  あなたは、私を拒否しているのではなく、若者や、市民を拒否しているんだ。
  ハイチは、私たちの恋人。子供たちに教育を与えたい。
  私の父が牧師だったのを忘れるなよ~。


歌詞は、まんますぎて、笑えてきますが、
曲は、泣けてくる。

この新曲、英語とクレオール語(現地の言語)で、
歌ってるんですが、
さっそく、ハイチのラジオ局で、ガンガン流れているらしい。
識字率53%の国民は、この新曲を、どう、読むでしょうか。


…そんなわけで、私は、この数日間、テレビから、
「出馬決定」という言葉が聞こえてくると、
「え?ワイクリフ?!」と
過敏に反応してましたが、
出馬が決定したのは、
ワイクリフではなく、小沢・元幹事長でした。


自分の国の法律も、よくわからんのに、
よその国の法律は、わからんとはいえ、

国家をたてなおすことより、内輪もめに精を出し、
「死ぬ気でやります」と言っておいて、
4か月そこらで総理大臣辞めちゃうヒトたちと、

莫大な寄付金と、長年の尽力で、
脅迫状にも屈せず、
母国をなんとかしようとするミュージシャンと、

品格を問われるのは、どっちやねん?

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