ボケとつっこみ



 <Photo by アメリカ人の友人 (Nikon D5000)>
 


日本で、『カメラ小僧』 と呼ばれる、カメラ何台も持ってて、
写真とりまくってる、いわゆる、カメラおたくは、
アメリカでは、Shutter Bug (シャッター・バグ) 『シャッター虫』と
言うそうです。

私のアメリカ人の友人も、この虫で、
しかも筋金入りの「Canon教」でした。

ところが、夏休みに日本に帰ってきたとたん、
肌身離さず持ち歩いていた、Canonのカメラが壊れ、
悩んだ末、Nikon D5000を購入し、
そうとう気にいったらしく、「このたびNikon教に改宗しました」という様子。

炎天下の東京を、一日歩きまわり、
「今日ね、2000枚も撮っちゃった」と、ホクホクで、
写真を送ってくるので、かつてNikon派だった私としては、
なんぞ、感想でも言わねばと思い、

「ほおー、前のCanonより、ボケ足がいいかんじ、のような気がする。(上の写真)
んーとね、あー、ボケ足って、英語でなんて言うんだ?」
と聞いたら、

「ボケ足とか、ボケ味はね、アメリカでも、『Bokeh(発音同じ)』
っていうんだよ。」
と言うのです。

「え~マジ? 辞書にのってないじゃん」と、
つっこんで聞いてみたところ、

ツナミ、とか、シアツ、みたいに、Bokehも、
日本語の「ボケ」がそのまま使われているそうで、
しかも、ここ数年のことらしい。(だから、まだ辞書にのっていない)
もともと、「ボケ」は、日本発祥で、ボケの美にこだわり、
ボケ具合を追及するのは、
日本人のカメラマン(映画、ビデオカメラマンを含む)
だけだったそうです。
ここ数年、アメリカでは、この「ボケ」が、カメラおたくの中で、
流行っているらしく、写真投稿サイトでは、
ボケ具合のいい写真を、Cool! だの、Nice!だの、仲間内で、
誉めたたえあっているそうです。

…へええええ。
…そういわれてみると、私の周りのカメラマンのみなさんがこだわるのも、ボケ足。
…ちゅうか、自分自身も、写真や映像見せられると、ボケ足に目がいってしまう。
…日本人のDNAが、こういうところに、現れるとは。

映像業に入りたての時、名作「市民ケーン」を見て
「ひょえー、すごい、全部、ピントあってる」←すごい素人表現
と、ものすごい新鮮だったのを、思い出しました。
          ↓
















どの、映画批評や、解説を読んでも、
「美しいパンフォーカスを駆使し…」
「美しいパンフォーカスを多分に使われ…」と、まるでコピペされたように、
絶賛されていますが、
日本人好みとは逆の、奥の奥まで、全然ボケてない、パンフォーカスの画が、
ミョウにCoolでNiceに思えたのも、日本人のDNAならではかしら。



おにゅーのNikonnD5000の試し撮りで、

「いやー、歩きまわって、すっごい日焼けしちゃったよ。もう、真っ黒。Yea!」

と、すっかりご満悦ですが、
このヒト、黒人です。

…いい、ボケ味。

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