BECK感想と通行人
Shall We Danceの周防監督さまが、
「映画は、批評するものではなく、観るものです。」と
おっしゃったので、言いつけを守り…
…たいのですが、どうしても、「BECK」だけは、感想、書かせていただきます。
ネタばれ注意。
・コユキ
映画化にあたり、一番の注目点、核であった、コユキのヴォーカル。
そもそも、原作の漫画BECKは、あきらかに、
「日本のロックにうんざりしている、洋楽ロックファン」
が、ターゲットであるため、…いや、意図的に、ターゲットにしてなくても、
ハマった人たちは、そういう人種が、大多数であるがゆえに、
堤監督さまの、『あの演出』が、絶対に、絶対に、絶対に、正解だと思います。
(ハロルド作石先生の意向でもあったそうですが)
たとえ、「すばらしい歌唱力」を持つ、日本人シンガーにアフレコしてもらっても、
その「すばらしい」の基準が、日本国内の基準であれば、
洋楽ネイティブのみなさんに、「それみたことか」と総スカンくらっちゃいます。
また「全米No.1のバンドをうならせた、日本人バンドのヴォーカル」という、
コユキみたいな方が、この世に、実在してしまったら、
今度は、BECKのストーリー、そのものが、成り立ちません。
ベルアームのコの、
あの、「典型的な、日本の商業ロックの、キショイ声と歌い方」を
しっかり見せて、「コユキは、こーゆー風でははありません」と、想像で、
比較させるという演出が、さすが、お見事だと思いました。
・ダイイング・ブリード
んま~、そっくり。
「ダイブリは、パールジャム」という予想が、予想通りだっただけで、もう満足。
ダイブリのライブが始まったとたん、
思わず、立ち上がりそうになりました。映画館で…。
・♪ エヴォリューション / Beck
んま~ こりゃ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン…、も、びっくりの曲。
また、立ち上がりそうになりました。映画館で…。
千葉くん役の、桐谷健太くんは、監督に
「(アフレコではなく)自分にやらせてください!」
と、デモビデオ送ったそうですが(えらいな~)その気迫が、
映像全体に、にじみ出てきてました。
スタンドマイクか、ハンディのマイクかにこだわった録音もしかり。
役者さんにしておくのは、もったいない、と思わせる迫真のラップと、演技。
キャストの中で、どんぴしゃのはまり役は、まちがいなく、千葉くんです。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=eDzPxJRr_xY
・竜介くん・サクくん・平くん 演奏シーン
監督のカット割りいかんで、あーゆー風になるのかと、勉強になりました。
ライブシーンは、ほんとに、撮影大変そう。しかも、フジロックで。
・Googleストリートビューのカメラ
360度パノラマ動画カメラ「Ladybug3」が、映画初使用。
はあ~、なるほど。(っていうか、どーなってんだこれ?)
そもそも、映像美を追求する内容ではない場合、それでも、
なにかに、どこかに、こだわるには、
どうしたらよいかと、「高い機材より、適材適所のアイデア」を
常に考えるということ、が、あらためて、勉強になりました。
細かいところとしては、
・エディが、サブポップのTシャツ着ててうれしかった。
・レオン・サイクスの髪形を再現したメイクさん、すごすぎる。
・斎藤さんの特訓シーンの、ギターの種類とそれに合わせた選曲が、ハマりすぎで笑えた。
(うちのダンナは、このシーンで大ウケし、ひとりだけ、大爆笑したらしい。)
・犬のBeckをいじいめてる 外国人のみなさんが、ワルそうなどころか、
「英会話の先生」みたいな善良そうなひとたちだった。
邦画で、外国人のエキストラ探しは、大変だわ。
などなど、キリがありませんが、
なによりも、感動し、うれしかったのは、
原作通り、通行人で、
「蝶野正洋さんが出演していたこと」です。
「あ~っ」と、叫び、
立ち上がりました。映画館で…。
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わたしもまったくそう思います。たくさんの人が、映画を見て原作も手にとってくれるとうれしいです
返信削除泉さん
返信削除コメントありがとうございます。
そうですね。「原作」に登場する、数々のバンドの「名曲」を実際に聴いて知ると、
映画がさらにおもしろく観られますね。
映像にすることが難しいと言われていた、
(洋楽)Rock漫画が、映画化されただけでも、
すごいコトだと思いました。
Yumi